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私鉄車両探訪 京阪電鉄 簡易編

 1992年、パソコン通信 Nifty-serve の鉄道フォーラムに投稿したテキスト資料です。

 さろん私鉄会議室に開設された特別企画において、私鉄車輛の簡単な解説をテキストモードでやってみようというものでした。大手から中小まで多数の参加者が執筆し、貴重な資料となったものです。この資料が現在の鉄道フォーラムでどのように扱われているかはよくわからないのですが、自分の執筆した京阪電鉄編の原稿をHTMLに載せることにしました。

 とりあえず簡易編について、pre タグを使ってそのまま表示するようにしています。電車の形を表現するのに、キャラ絵を使っていますので、画面表示がおかしなことになる部分についてはご容赦ください。原稿は第2稿となっていますが、簡易編はこのバージョンが完成品となっています。

(2005.01.01 掲載)


- FTRAIN  MES(17):(臨)私鉄車両探訪1*さろん私鉄特別企画 92/09/05 -
382/386   NBC01632  山内 祐      【京阪】簡易編 目次・文献 第2稿101L
(17)   92/09/05 00:46


 京阪電鉄担当の(ヤマ)です。第1稿をアップしてから約1カ月がたってしまい、
1週間で最終稿という目標から大幅に遅れてしまいました。この上まだ詳細編を書こ
うというのだから、いったいどうなることでしょう・・・。

 さて、第1稿アップ後、本年度増備車の登場や改修車の増加等で車両の変化が多く、
書きなおしている部分がかなりあります。書きなおし部分でのミスが出ている可能性
もありますので、最終稿とはせず第2稿としましたが、これで特に問題なければその
まま最終稿扱いとしてもらいたいと思います。第2稿ではキャラ絵のイラストを2両
目まで延長し、中間車のようすもわかるようにしました。なるべく全角で書いたつも
りですが、半角奇数個が混じっているかもしれません。その点ご容赦下さい。


==================== 私鉄車両探訪 ? 「京阪電気鉄道」 ===================

【執筆者】 NBC01632  山内 祐
【執筆日】 92/09/04 
【行 数】 ????行
【構 成】
 1.  路線の概要                          …… #01
  1.1 路線図                           …… #02
  1.2 路線の分類                         …… #03
   1.2.1 京阪線                         …… #04
   1.2.2 大津線                         …… #05
   1.2.3 鋼索線                         …… #06
 2. 運転の概要                          …… #07
 3.  車両の概要                          …… #08
  3.1 車両数および系列                      …… #09
  3.2 車体の概要                         …… #10
  3.3 走り装置                          …… #11
  3.4 系列判別ツリー                       …… #12
  3.5 各系列の解説図の凡例                    …… #13
 4.  特急車                            …… #14
  4.1 3000系(S47〜48:28両:普通鋼)         …… #15
  4.2 8000系(H1〜:56両:アルミ合金)          …… #16
 5.  通勤車                            …… #17
  5.1 HSCグループ                       …… #18
   5.1.1 1900系(S31〜33・38〜39:45両:普通鋼) …… #19
   5.1.2 2200系(S39〜43・S60・100両・普通鋼)  …… #20
   5.1.3 2400系(S44〜45・42両・普通鋼)       …… #21
   5.1.4 2600系(S53〜57・131両・普通鋼)      …… #22
  5.2 HRDグループ                       …… #23
   5.2.1 5000系(S45〜55:49両:アルミ合金)     …… #24
   5.2.2 1000系(S52〜53:42両:普通鋼)       …… #25
   5.2.3 6000系(S58〜H2:109両:アルミ合金)    …… #26
   5.2.4 7000系(H1〜:18両:アルミ合金)        …… #27
 6.  鋼索線・貨車                         …… #28
  6.1 鋼索線車両(S30:2両:普通鋼)             …… #29
  6.2 貨車                            …… #30
   6.2.1 101形(S58:1両:普通鋼)            …… #31
   6.2.2 151形(S58:1両:普通鋼)            …… #32
   6.2.3 111形(S58:1両:普通鋼)            …… #33
 7.  大津線の概要                         …… #34
  7.1 大津線の運転概要                      …… #35
  7.2 車両数および系列                      …… #36
  7.3 車体の概要                         …… #37
  7.4 走り装置                          …… #38
  7.5 系列判別ツリー                       …… #39
  7.6 京都市交通局地下鉄東西線乗り入れについて          …… #40
  7.7 各系列の解説図の凡例                    …… #41
 8.  京津線低床車                         …… #42
  8.1 80形(S36〜45:16両:普通鋼)           …… #43
 9.  大津線高床車                         …… #44
  9.1 非冷房車                          …… #45
   9.1.1 260形(S32〜43:16両:普通鋼)        …… #46
   9.1.2 350形(S41〜42:7両:普通鋼)         …… #47
   9.1.3 500形(S54〜56:6両:普通鋼)         …… #48
  9.2 冷房車                           …… #49
   9.2.1 600形(S59〜63:20両:普通鋼)        …… #50
   9.2.2 700形(H4〜:4両:普通鋼)            …… #51
 10. 貨車                             …… #52
  10.1 100形(122号:S9:1両:半鋼)          …… #53

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(本篇をまとめるに当たって参考にした文献)

・私鉄の車両15「京阪電気鉄道」         保育社
・京阪時刻表 1989              京阪交通社
・私鉄車両編成表「80年〜91年」        ジェー・アール・アール
・私鉄電車のアルバム 各刊            慶応義塾大学鉄道研究会
・私鉄ガイドブックシリーズ5「京阪,阪急,阪神」 慶応義塾大学鉄道研究会
・鉄道ピクトリアル 京阪電気鉄道特集 各号    鉄道図書刊行会
・鉄道ピクトリアル各号              鉄道図書刊行会
・新車年鑑 各年度 鉄道ピクトリアル臨時増刊号  鉄道図書刊行会
・鉄道ジャーナル各号               鉄道ジャーナル社
・関西の鉄道 京阪電気鉄道特集 各号       関西鉄道研究会
・車両発達史シリーズ1 京阪電気鉄道       関西鉄道研究会
・カラーブックス 日本の私鉄    7 「京阪」 保育社
・カラーブックス 日本の私鉄(新) 9 「京阪」 保育社
・鉄道車両/台車のメカ              大河出版

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私鉄車両探訪 京阪電鉄 担当:山内 祐           NBC01632 (ヤマ)

383/386   NBC01632  山内 祐      【京阪】簡易編(概要・特急車)第2稿272L
(17)   92/09/05 00:51

****** 私鉄車両探訪 京阪電気鉄道 簡易編(概要・特急車) ******

1.  路線の概要                           …… #01

1.1 路線図                             …… #02

淀   天            枚   八   中          出
屋 北 満  京  京阪本線    方    幡    書    七 四 三 町
橋  浜  橋 橋          市     市   島    条 条 条 柳
◎=◎=◎〓◎〓〓〓〓〓★====○===○===○====◎=◎=◎=◎
            寝       ‖     |鋼  ‖        ‖
            屋     交‖     |索    ‖宇      京‖
◎特急停車駅      川   野‖   ○線  ‖治      津‖
            信     線‖   男   ‖線      線‖
〓 複々線       号    ‖   山   ‖        ‖
= 複線        所    ○   山   ○宇治   ○==○=○−○
− 単線            私市   頂         石  浜 穴  坂
                               山  大 太  本
 京阪本線 49.3km    鋼索線  0.4km                      寺  津
  鴨東線  2.3km  
  宇治線  7.8km  京  津  線  11.1km                          石山坂本線
  交野線  6.9km  石山坂本線  14.1km
 京阪線計  66.2km  大津線  計  25.2km   京阪電鉄 路線合計 91.9km

1.2 路線の分類                           …… #03

  京阪の路線は、大阪府〜京都府に展開する京阪線と男山への鋼索線、京都府〜滋賀県
に展開する大津線に分けられます。京阪線と大津線は軌間1435mm、鋼索線は軌間1067mm
で、京阪線は1500V、大津線は600Vの直流電化になっています。

1.2.1 京阪線                            …… #04

  大阪のビジネス街淀屋橋から淀川東岸にそって北東に針路をとり、木津川・宇治川を
渡り鴨川にそって三条に至る京阪本線、三条から北上し出町柳に至る鴨東線(おうとう
せん)、枚方市から分岐して京阪奈丘陵ふもとの私市(きさいち)に至る交野線(かた
のせん)、中書島から分岐し宇治川にそって宇治に至る宇治線の4路線を総称して京阪
線といいます。
  京阪線は全線複線であり(注)、京阪本線のうち天満橋〜寝屋川信号所間12.6Kmは民
鉄最長の方向別高架複々線です。内側急行線をA線、外側緩行線をB線と呼び、準急以
上の優等列車はA線を走り、区間急行は京橋〜守口市間はA線、守口市〜萱島間はB線
を走るのが基本です。萱島〜寝屋川信号所間のB線は、萱島折り返し列車の回送や寝屋
川車庫への入出庫に使用されています。天満橋〜京橋間は列車種別に関係なく、淀屋橋
発着列車がA線、天満橋発着列車がB線を走ります。なお、京阪本線の淀屋橋〜天満橋
間、七条〜三条間、および鴨東線全線は地下線です。
  京阪線の特徴は何といってもカーブの多さでしょう。高速鉄道への改良を重ねた現在
の路線でも、カーブの割合が約44%に達しています。このため車両の方でも早くから
空気バネ台車を採用し、カーブでの乗り心地を改善するための努力がなされています。

*注 交野線枚方市〜宮之坂間、森信号所〜私市間は現在単線ですが、本年秋に全線
   複線化されます。路線図では複線化されたものとして書いています。

1.2.2 大津線                            …… #05

  東海道53次の西端、三条大橋のたもとから東山を越え、山科盆地の北側から逢坂山
をトンネルでぬけて浜大津に至る京津線、石山寺から大津市内を琵琶湖岸にそって北上
し坂本に至る石山坂本線(以下石坂線と記述)の2路線を総称して大津線といいます。
  京津線は全線複線、石坂線は石山寺〜穴太(あのお)間が複線、穴太〜坂本間が単線
です。京津線のうち京津三条〜蹴上(けあげ)間、日ノ岡〜御陵(みささぎ)間、上栄
町〜浜大津間、および石坂線浜大津〜三井寺間の合計3.3Km は、道路との併用軌道にな
っています。京津線には山越えが2ヵ所あり、急カーブ、急勾配のきびしい線形です。
石坂線は大津の市内電車といった性格です。このような路線条件のため、大津線の車両
は京阪線とはまったく異なる車両規格となっています。以降の大津線関係の記述は区別
して扱います。

1.2.3 鋼索線                            …… #06

  八幡市から石清水八幡宮のある男山山上へのケーブル線です。営業わずか0.4Km
で高低差82mですが、トンネルあり橋梁ありの変化に富んだ鋼索線です。


2. 運転の概要                           …… #07

 ☆種別と途中停車駅

 種別   途中停車駅
 特急     北浜・天満橋・京橋・七条・四条・三条
 急行   北浜・天満橋・京橋・寝屋川市・香里園・枚方市・樟葉・八幡市・中書島
      丹波橋・伏見稲荷・七条・五条・四条・三条・丸太町
 準急   北浜・天満橋・京橋・萱島から中書島間各駅・丹波橋・伏見稲荷・七条・
      五条・四条・三条・丸太町
 区間急行 京橋〜守口市間のみ無停車
 普通   各駅停車

 ☆昼間時の列車は、下表の4種別で15分ヘッドを組んでいます。

 種別   基本運転区間       車両  編成両数
 特急   淀屋橋←→出町柳    特急車 7連  
 急行   淀屋橋←→出町柳    通勤車 7・8連
 準急   淀屋橋←→樟葉     通勤車 7・8連
 普通   淀屋橋←→萱島・出町柳 通勤車 4〜7連
      宇治←→三条      通勤車 4・5連
            枚方市←→私市     通勤車 4連

 ☆その他

 区間急行 淀屋橋←→萱島     通勤車 7・8連 昼間時以外

 区間急行は昼間時以外の時間帯で設定されています。混雑時には上記基本運転区間
に加えて、淀屋橋←→樟葉の急行、淀屋橋←→枚方市・淀、出町柳→樟葉の準急、淀
屋橋←→萱島・香里園の区間急行などが運転され、準急、区間急行、普通の一部には
天満橋発着の列車があります。
土曜ダイヤも設定されていて、混雑時の列車が月〜金ダイヤより少なくなっています。

 観光シーズンや祭行事開催時には臨時特急などが運転されます。京都競馬開催時に
は淀発着の臨時急行などが運転されます。大晦日は終夜運転が行われ、正月三が日は
大増発されます。


3.  車両の概要                           …… #08

3.1 車両数および系列                        …… #09

 現在在籍している旅客用車両は、京阪線特急車84両、通勤車536両の合計620
両、大津線低床車16両、高床車45両の合計61両、旅客車全合計681両です。ほ
かに鋼索線車両が2両、貨物車が京阪線3両、大津線1両在籍しているので、総合計は
687両となります。なお、車籍のない構内入換車が寝屋川車庫に1両います。
 系列の付け方は京阪線は4桁でMc車の形式を基本とし、Mcのない場合もこれに準
じています。時期によって車種の表し方などが変更されており、M・T・Tcの形式ル
ールは一定していないので、簡単な表にしておきました。区切りのある所は、ほぼ同じ
ルールで付番されている系列です。

系列|1900|2200 2400|2600|3000 5000|1000 6000 7000 8000
−−+−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−
初年|S31 |S39  S44 |S53 |S47   S45 |S52   S58   H1    H1
−−+−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−
Mc|1900|2200     |2600|3000 5000|1000  6000  7000  8000
M |1980|2300 2500|2700|3100 5100|1100  6100  7100  8100
Tc|  |2250 2450|2800|3500 5500|
T |1950|2350 2550|2900|3600 5800|1500  6500  7500  8500
−−+−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−
両数| 45| 100  42| 131| 28  49| 42  109  18  56

 5000系からは棒連結器で結ばれたユニットを区別するため、4両ユニットに50
番台をつけることになりましたが、5000系では4両ユニットの置き方が京都側と大
阪側の2種できたので混乱しています。結局1000系からはユニット両数に関係なく
大阪側ユニットに50番台をつけるルールになりました。

3.2 車体の概要                           …… #10

 京阪線の車両は、全長18.7m、車体長18m、車体幅2.72mが標準です。特急車は黄と
赤に塗り分けされ、片開き2扉で赤系および茶系の転換クロスシート、車内壁面化粧板
はベージュ系の色です。通勤車は緑の濃淡に塗り分けされ、両開き3扉で緑のロングシ
ート、壁面化粧板は淡緑が標準でしたが、改修車ではベージュ系になっています。前面
は貫通扉を挟んで運転士側が1枚窓Hゴム支持、車掌側が2段窓という顔が標準だった
のですが、最近の新車や改修車では車掌側も1枚固定窓になって、貫通扉は外開きの非
常用になり、2段窓の京阪顔は少数派になってしまいました。編成両端の先頭車には、
スカートがとりつけられています。なお、京阪線は平成元年に100%冷房化されてい
ます。

3.3 走り装置                            …… #11

 京阪線の旅客用車両はすべて空気バネ台車をはいており、電動車はカルダン駆動の高
性能車です。制御装置は昇圧改造を受けているものが多く、4M1C単車制御、8M2
C親子方式、8M1CMM’式などが混在していますが、将来的には8M1Cに統一へ
向けて改修が進められています。複巻電動機を使った界磁位相制御や定速制御を得意と
し、制動装置も電動車の約60%が回生制動を常用しています。集電装置は1900系
と2400系の1次車が普通の菱形のPT42系、他は下枠交差形のPT48系です。

3.4 系列判別ツリー                         …… #12

京阪線_黄と赤__特急車__前面3枚窓__腰部絞り__狭い2段窓__3000
 \          \_前面一体窓__裾部にR__大型連続窓__8000
  \
   \緑濃淡__通勤車__前面3枚窓__側面直線__前面バンパー_1900
            |      |     |_車掌窓2段__1000
            |      |     |_貫通扉窓大__1000改
            |      |     |_前面ひさし__5000
            |      |
            |      |_卵形断面__貫通扉外開__2200
            |            |_貫通扉窓大__2400
            |            |_貫通扉内開__2600
            |
            |_前面2枚窓__側面裾R__前面窓傾斜__6000
                         |_前面窓直立__7000

3.5 各系列の解説図の凡例                      …… #13

 ☆車両イラストは左が京都側、右が大阪側で、京都側から1・2両目までを示
  している。
       記号  ■:冷房装置      T:テレビアンテナ
           日:2段窓        □:1枚窓
           ●:主電動機付    ○:主電動機なし
           =:棒連結器     +:密着自動連結器
           

  ☆編成については代表的なものの例を示している。左が京都側、右が大阪側。
  8M1Cの場合、主制御器を持つ車両をM1、補機類を持つ車両をM2と呼んでいる。
  8M2C親子式の場合は高圧車をM1、低圧車をM2と表記する。4M1C単車制御で
  はM と表記する。
       記号  −:棒連結器   +:密着自動連結器  ◇:パンタグラフ


4.  特急車                             …… #14

4.1 3000系(S47〜48:28両:普通鋼)           …… #15

                        <>
半  T ■■ T ■■  ■■  ■■  ■■ × ■■  ■■  ■■
流 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
貫|Π日□片日日日日日日日日日片□日日||日日□片日日日日日日日日日片□日日|
通|Ц  開         開   ||   開         開   |
 +―――――――――――――――――==―――――――――――――――――=
   ○ ○   Tc車       ○ ○    ● ●   M車    ● ●

制御:175kW×4 4M1C 界磁位相制御  定速制御付き
制動:全電気指令式空気ブレーキ 回生・発電制動併用
台車:円筒案内式 KS132・KS132A
   緩衝ゴム式 FS381・FS381B
編成:
       TV                    TV TEL
   __  _◇  _◇  __  __  _◇  _◇ 
  ( Tc || M || Mc )| T  || T  || M  || Mc ) 7連×4本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   3500 − 3100 − 3000 + 3500 − 3600 − 3100 − 3000

 昭和46年の昼間時ダイヤの15分ヘッド化および特急の7連運転開始にあわせ、4
代目の特急車として登場ました。車体側面は腰部から裾にかけて少し絞られており、狭
い2段窓がずらりと並んだ京阪特急の伝統的スタイルを受け継いでいますが、前面は曲
面ガラスとスカートにより新しいイメージを作っています。ハトマークは貫通扉に電照
式のものがとりつけられました。転換クロスシートには自動転換装置が付き、扉脇には
折り畳み式補助椅子があります。名物のテレビは1編成に2台となっています。
 走り装置は昇圧対応で界磁位相制御を駆使した定速制御付きになり、65Km/hか
ら5Km/hきざみで120Km/hまでの指令があります。運転装置は横軸ツーハン
ドルで、マスコンとブレーキは別のレバーで操作します。
 総数は7連×4本と6連×5本の58両がつくられ、鴨東線の開通に際して8000
系中間車を組み込んで全編成7連化されましたが、20年近く経過しているため、特急
車の8000系への置き換えを進めることになりました。
3000系は格下げ工事は行わず廃車されることになり、そのうちMcとTcの車体は
富山地方鉄道に売却され、営団3000系の走り装置と組み合わされて活躍中です。
 残っている3000系は編成中間のTcに電話室を設置して、8000系のサービス
と合わせています。波動用として2本程度残される可能性がありますが、8000系の
増備が進んでいるので順次廃車が進行していくでしょう。

4.2 8000系(H1〜:56両:アルミ合金)            …… #16

    <>             <>
半 __×__■■■■■■■■■■■_×__  _____■■■■■■■■■■
流 /  _   ________   __ || __   ________
非|Π[‖]片[ ‖ ‖ ‖ ‖]片[‖‖]||[‖‖]片[ ‖ ‖ ‖ ‖]
常|Ц  ̄ 開  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 開  ̄ ̄ ||  ̄ ̄ 開  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
扉+――――――――――――――――――――==―――――――――――――――
    ● ●   Mc1車   ● ●      ● ●    M2車   

制御:175kW×4 8M1C 界磁位相制御  定速制御付き
制動:全電気指令式空気ブレーキ 回生制動併用(回生優先)
台車:軸梁式     KW88
   SUミンデン式 FS517C・FS517D

編成:
              TV TEL
   ◇◇  __  __  __  __  ◇◇  __ 
  ( Mc1|| M2 || T || T  || T || M1 ||Mc2 ) 7連×8本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   8000 − 8100 − 8500 + 8750 − 8550 − 8150 − 8050

 鴨東線の開通に際し、5代目の特急車として新形式で登場しました。平成元年に1本
目が竣工し、鴨東線開業と共に営業運転を開始、その後特急車をすべて8000系に置
き換えることになり、増備が続けられています。
 車体断面は通勤車の6000系と同じで、前面は3枚窓スタイルながら前照灯・行先
幕の部分までガラスとなり、サッシはブラックアウトに処理されています。貫通扉は外
開きの非常用となりましたが伝統のハトマークは受け継がれており、側窓は連続ガラス
の大型固定窓となって、従来の京阪特急のイメージから大きく変化しています。シート
はセミバケットタイプで1両おきにピンク系とブラウン系を配置しています。名物テレ
ビカーは編成中央の1両だけになりましたが、BSアンテナが設置されており本年8月
1日から衛星放送が受信開始されています。もちろん電話室もあります。
 走り装置は6000系をベースにして定速制御をつけており、運転装置が京阪初のワ
ンハンドルとなりました。定速制御指令は45km/h〜110km/hの間で、任意
の速度で定速運転が可能というものです。本年度増備分が8月から営業についており、
いずれ特急運用全部が8000系になることは確実です。

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私鉄車両探訪 京阪電鉄簡易編 京阪線 通勤車へつづく    NBC01632  (ヤマ)

384/386   NBC01632  山内 祐      【京阪】簡易編(HSC通勤車)第2稿184L
(17)   92/09/05 00:54

****** 私鉄車両探訪 京阪電気鉄道 簡易編(HSC通勤車) ******

5.  通勤車                             …… #17

 通勤車はブレーキ方式により、HSC電磁直通ブレーキの1900・2200・2400・2600系
列と、HRD全電気指令式ブレーキの1000・5000・6000・7000系列に分類できます。

5.1 HSCグループ                         …… #18

5.1.1 1900系(S31〜33・38〜39:45両:普通鋼)    …… #19

   ≦≧ ■■■■  ■■■■      ■■■■  ■■■■ ≦≧
半 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
流|Π日口片日日日日片口日日日片口日||日日口片日日日日片口日日日片口日日|
貫|Ц  開    開    開  ||   開    開    開   |
通+――――――――――――――――==―――――――――――――――――=
   ● ●  Mc1車  ● ●    ● ●   M2車   ● ● 

制御:108kW×4 8M1C 抵抗制御
制動:電磁直通空気ブレーキ
台車:シンドラ式  KS51・KS56・KS70
   アルストム式 FS327
   ミンデン式  FS347
編成:
    ◇_  _◇  __  ◇_  _◇ 
   ( Mc1|| M2 || T  || M1 ||Mc1 )  5連×9本
     ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   1900奇数−1980 − 1950 − 1980 − 1900偶数

 3代目として作られた特急車を、3扉化して通勤車に格下げした車両です。
昭和31年に1810系として作られていた特急車17両を車番変更して1900系に
組み入れた1900旧と呼ばれるタイプと、昭和38年の淀屋橋乗り入れに際して新造
された28両の1900新と呼ばれるタイプがあります。旧タイプは前面の雨樋が一段
下がっているのが特徴であり、ウインドシルがついています。新タイプはウインドシル
はなくなり、前面裾にはバンパーがついています。特急に活躍していましたが昭和47
年から登場した3000系に置き換えられ、3扉化改造をして通勤車に格下げされまし
た。中央に新設された扉は片開きが基本ですが、扉間の窓数の都合により両開きになっ
ている車もあり、編成美を乱しています。昭和60年から冷房改造が行われ、編成はす
べて5連になり、同時に旧タイプは中間車化されてしまいました。編成の先頭は新タイ
プにそろえられ(1両は旧タイプからの改造)、貫通扉は外開きになり、車掌側の2段
窓は廃止されアルミ枠の1枚固定窓となりました。トレードマークのバンパーは残され
ています。旧タイプは誕生後36年が経過していますが、まだまだ現役であり、5連で
主に宇治線の運用にはいっています。

5.1.2 2200系(S39〜43・S60・100両・普通鋼)     …… #20

               <>                   <>
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半 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
流|Π日 両 日日日 両 日日日 両 日日||日日 両 日日日 両 日日日 両
貫|Ц  開     開     開   ||   開     開     開
通+―――――――――――――――――――==――――――――――――――――
   ● ●   Mc1車    ● ●    ● ●    M2車    ●

制御:155kW×4  8M1C 抵抗制御or添加励磁制御
制動:電磁直通空気ブレーキ 発電(回生)制動併用
台車:エコノミカル式 KS73A・KS73B・KS73D
   側梁緩衝ゴム式 FS337B・FS337D
   SUミンデン式 FS527
編成:
   _◇  _◇  __  __  __  _◇  _◇  __
  ( Mc1|| M2 || T  || T  || T  || M1 || M2 || Tc ) 8連
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ×5本
   2200 − 2300 − 2350 − 2350 + 2350 − 2300 − 2300 − 2250

   _◇  _◇  __  __  _◇  _◇  __
  ( Mc1|| M2 || T  || T  || M1 || M2 || Tc )  7連×8本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄  
   2200 − 2300 − 2350 − 2350 + 2300 − 2300 − 2250  

 各駅停車用高性能車としてうまれたスーパーカー2000系に続いて、経済性を重点
にした急行用として昭和39年から製造されました。車体は2000系2次車に準じた
窓配置で、卵型断面のモノコックボディですが、パンタが連結面側についたこととホロ
の釣具がなく、京阪で初めて先頭車にスカートがつけられたので、前面の印象が変わり
ました。昭和43年までに98両が製造されましたが、7連化されるときに半端になっ
たTc車3両が2000系に編入され、4M3Tの7連×13本と2M2Tの4連×1
本の95両にまとめられました。昭和49年からは親子方式での昇圧工事と冷房化が行
われ、4台のクーラーを搭載、パンタが下枠交差式に交換されました。この昇圧工事中
に、2600系の3連ユニットが2200系併結用になり、結局4M3Tの7連×14
本となりました。昇圧後に8連運転をするため、増結用T車が5両新造され現在の形に
なりました。昭和59年から改修工事が行われ、先頭車の前面貫通扉外開き、車掌側窓
1枚化、制御装置の8M1C化となり、途中からは添加励磁制御を採用して回生ブレー
キ車もできています。

5.1.3 2400系(S44〜45・42両・普通鋼)          …… #21

                                      <>
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半 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
流|Π日 両 日日日 両 日日日 両 日日||日日 両 日日日 両 日日日 両
貫|Ц  開     開     開   ||   開     開     開
通+―――――――――――――――――――==――――――――――――――――
   ○ ○      Tc車    ○ ○    ● ●    M1車    ●

制御:155kW×4 8M1C 添加励磁制御
制動:電磁直通空気ブレーキ 回生制動併用
台車:エコノミカル式 KS76A
   側梁緩衝ゴム式 FS337E
編成:
   __  _◇  _◇  __  _◇  _◇  __
  ( Tc || M1 || M2 || T  || M1 || M2 || Tc ) 7連×6本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   2450 − 2510 − 2520 + 2550 − 2530 − 2540 − 2460

 2200系をベースにしてクーラーを搭載し、昭和44年に7連×3本が登場した関
西私鉄初の通勤冷房車です。途中に運転台をはさまない7連通しの固定編成になり、京
阪では初めて編成毎に車番を揃える方式を採用しました。クーラーは分散式を8台搭載
しており、パンタは普通の菱形のものを使っています。昭和45年には2次車が7連×
3本増備され、パンタが下枠交差形になり、クーラーキセのRが大きくなりました。
 昇圧対策を考えて製造されたため工事は軽度ですみ、親子方式で昇圧され編成も変更
されず原形を保っていましたが、平成元年から改修工事が行われ制御装置が8M1C添
加励磁制御の回生ブレーキ付きになりました。前面も2200系と同様の改造が行われ
ましたが、貫通扉のガラスが下へ延びて行先表示器と一体化され、車掌側窓の1枚化と
共に京阪の新しい顔を作り出しています。

5.1.4 2600系(S53〜57・131両・普通鋼)         …… #22

                <>                   <>
    ■■  ■■  ■■  ×  ■■    ■■  ■■  ■■  ×
半 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
流|Π日 両 日日日 両 日日日 両 日日||日日 両 日日日 両 日日日 両
貫|Ц  開     開     開   ||   開     開     開
通+―――――――――――――――――――==――――――――――――――――
   ● ●    Mc車    ● ●    ● ●     M車    ●

制御:155kW×4 4M1C 界磁位相制御
制動:電磁直通空気ブレーキ 回生制動併用
台車:シンドラ式   KS58・KW79
   エコノミカル式 KS63C・KS73C
   アルストム式  FS327A
   側梁緩衝ゴム式 FS337・FS337A〜C・FS399C
   乾式円筒案内式 KW37
   軸梁式     KW69
   SUミンデン式 FS509・FS509A
編成:
   _◇  __    _◇  __  _◇  _◇  __
  ( Mc || T  || M  || T  || M  || M  || Tc )  7連×1本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄  
   2632 − 2942 − 2742 − 2952 + 2752 − 2732 − 2832  

   _◇  __    _◇  __  _◇  ◇_
  ( Mc || T  || M  || Tc )( Mc || Tc ) 6連×7本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   2600 − 2900 − 2700 − 2800 + 2600 − 2800 

   _◇   _◇  __  _◇  ◇_
  ( Mc || M  || Tc )( Mc || Tc ) 5連×4本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄
   2600 − 2700 − 2800 + 2700 − 2800

   _◇  ◇_    _◇   ◇_
  ( Mc || T  || M  || Tc )     4連×11本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄
   2600 − 2900 + 2700 − 2800

   _◇   _◇  __
  ( Mc || M  || Tc )         3連×1本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   2600 − 2700 − 2800

 京阪最大の勢力を誇る2600系は、旧2000系の車体流用の代替新造扱いで生ま
れた車両と、すべて新製された2630番台と呼ばれるものに分けられます。
 2000系スーパーカーは、高加減速性能を持つ高性能通勤車として、昭和34年に
24両が登場し、卵形断面、両開き3扉の軽量車体、平坦線用の本格的な回生ブレーキ
を採用した制御装置、空気バネ台車など数々の特徴をを持っていました。翌年から窓配
置を変更した2次車が増備され、昭和47年には総数103両となりましたが、昇圧に
際しては複雑な制御方式の改造が困難なため廃車扱いとし、利用できるものを徹底的に
利用し2600系として寝屋川工場で新造されたのです。
 代替新造車は、車体は2000系をほぼそのまま利用し、冷房化が行われて2200
系に準じたものになり、下枠交差形パンタが連結面側に搭載されました。編成両数の自
由度を確保するため2〜4両の基本ユニットを組み合せることになり、TcやTにもパ
ンタが搭載されました。性能は高加減速をやめて汎用的なものになりましたが、複巻電
動機を使った界磁位相制御で回生ブレーキ付きで単車制御になっています。台車は20
00系のものがすべて利用されかなりの種類になっていますが、エコノミカル台車KS
63の乗り心地改善のため、新品台車や他車からの改造台車に取替えられています。
 2630番台は完全な新製車であり、昭和56年に7連×4本が製造されました。車
体は2400系に準じた仕様になっていますが、冷房および走り装置は0番台と同じで
台車はKW37とFS399Cです。前面は車掌側1枚窓になり、貫通ホロはついてい
ません。
 2600系はその編成の自由度を生かし、4・5連は支線運用に、6・7・8連は本
線運用についていますが、随時寝屋川車庫で編成組み替えが行われています。

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私鉄車両探訪 京阪電鉄簡易編 京阪線 HRD車へつづく   NBC01632 (ヤマ)

385/386   NBC01632  山内 祐      【京阪】簡易編(HRD通勤車)第2稿232L
(17)   92/09/05 00:57

****** 私鉄車両探訪 京阪電気鉄道 簡易編(HRD通勤車) ******

5.2 HRDグループ                         …… #23

5.2.1 5000系(S45〜55:49両:アルミ合金)        …… #24

                   <>
    ■■  ■■  ■■  ■■ × ■■    ■■  ■■  ■■  ■■
切 T  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
妻 |Π 両 日 両 日 両 日 両 日 両 ||日 両 日 両 日 両 日 
貫 |Ц 開     開      開     開     開  ||  開     開      開     
通 +――――――*―――――――*―――――==――――――*―――――――
    ● ●    Mc1車      ● ●          ● ●   M2車     ●

制御:155kW×4  8M2C親子式 抵抗制御    *:ラッシュ用扉
制動:全電気指令式空気ブレーキ 発電制動併用
台車:エコノミカル式 KS76A
   側梁緩衝ゴム式 FS337E・FS399A
   乾式円筒案内式 KW31
編成:
   _◇  _◇  __  __  _◇  _◇  __
  ( Mc1|| M2 || Tc )( Tc  ||M1 || M2 || Tc ) 7連×2本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   5000 − 5200 − 5600 + 5550 − 5150 − 5250 − 5650 

   __  _◇  _◇  __  _◇  _◇  __
  ( Tc || M1 || M2 || T  || M1 || M2 || Tc ) 7連×5本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   5550 − 5150 − 5250 − 5850 + 5100 − 5200 − 5600 

 昭和45年に登場した日本初のアルミ合金製5扉車です。3扉の扉間にラッシュ用扉
として2ケ所を設け、窓は扉間に1枚ずつになっています。前面デザインも一新され車
掌側の2段窓が1枚窓になり、屋根カーブにそってヒサシがつき、貫通ホロが埋め込み
式になりました。ラッシュ用扉の車内には昇降式の座席が組み込まれており、閑散時に
は締め切られた扉の部分にこの座席がセットされて、3扉車と同様の座席数が確保され
ます。冷房装置は他車より強力で、ラインデリアと回転グリルの組み合せは5000系
から採用されたものです。走り装置は2400系に準じていますが、ブレーキは応答性
のよい全電気指令式ブレーキが採用されています。その後増備が続けられ、貫通扉へ行
先表示装置がとりつけられたり、ホロが取り付けられなくなったりと、細かい改良が行
われています。付番ルールとして4両ユニットに50番台をつけることになったので、
末尾1・2の編成は大阪側が50番台、末尾3〜7の編成は京都側が50番台となって
います。以後の系列では大阪側ユニットに50番台を付けるルールになりました。
 昭和55年に枚方市付近で置き石によって脱線転覆する事故があり、京都側2両55
54と5154が大破したため廃車され、同一番号で2代目が新造されています。
 昇圧対策を施して新造されたので、親子方式で昇圧が行われただけで車体の大きな変
化はなく、朝ラッシュ時には5扉でフル運用され、閑散時には3扉で活躍しています。

5.2.2 1000系(S52〜53:42両:普通鋼)          …… #25

                                   <>
    ■■   ■■   ■■  ×  ■■     ■■   ■■   ■■
半 /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
流|Π日 両 日日 日日 両 日日 日日 両 日||日日 両 日日 日日 両 
貫|Ц  開       開       開  ||      開       開
通+――――――――――――――――――――――==―――――――――――――
   ● ●      Mc車    ● ●     ● ●    M車      

制御:155kW×4 4M1C 抵抗制御
   (改修車は   8M1C 添加励磁制御)
制動:全電気指令式空気ブレーキ 発電制動併用(改修車は回生制動併用)
台車:エコノミカル式 KS77A
   側梁緩衝ゴム式 FS399
編成:
   _◇  _◇  __  __  _◇  __  ◇_ 
  ( Mc || M || T || T  || M  || T || Mc ) 7連×4本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   1000 − 1100 − 1500 + 1550 − 1150 − 1650 − 1050 

   __  _◇  _◇  __  _◇  _◇  __
  ( Tc || M1 || M2 || T  || M1 || M2 || Tc ) 改修車 2本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   1500 − 1100 − 1200 + 1650 − 1150 − 1250 − 1550

 戦前の流線型ブームに乗って登場した半鋼製の1000形グループの機器を流用し、
車体を新製した700系が昭和42年から46年にかけて製造されました。この車体を
流用して冷房化、走り装置を新製したものが1000系です。流線型以前にも1000
形があったので、1000系列を名乗る車両はこれで3代目に当たります。
 車体側板は直線で、窓が2個ずつペアになっているのが特徴です。5000系と同じ
性能の走り装置を持っていますが、単車で昇圧が行われました。昨年より改修工事が開
始され、先頭McがTcになり運転室を延長、2400系に準じた前面デザインとなり
ました。制御装置も8M1C添加励磁制御の回生ブレーキ付きになっています。
 1000系改修車の付番ルールは3000系に準じたものになり、Mcがなくなった
ので1000形という形式がありません。1500形には未改修車はTの番号、改修車
はTcの番号となっています。

5.2.3 6000系(S58〜H2:109両:アルミ合金)       …… #26

    <>                      <>
2  _×__■■■■■■■■__×__   ____■■■■■■■■■____
枚  /                 ||
窓 |Π□ 両 □□ 両 □□ 両 □□||□□ 両 □□ 両 □□ 両 □□
半 |Ц  開    開    開   ||      開    開    開
流 +―――――――――――――――――==―――――――――――――――――
    ● ●   Mc1車    ● ●         ● ●   M2車     ● ●

制御:155kW×4  8M1C 界磁位相制御
制動:全電気指令式空気ブレーキ 回生制動併用
台車:乾式円筒案内式 KW50・KW50B
   軸梁式     KW66・KW66A・KW77
   SUミンデン式 FS517・FS517A〜B
編成:
   ◇◇  __  __  __  __  __  ◇◇ __
  ( Mc1|| M2 || T || T  || T  || T || M1 ||Mc2 ) 8連
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄  ̄ ̄   ×11本
   6000 − 6100 − 6600 − 6500 + 6750 − 6550 − 6150 − 6050

   ◇◇  __  __  __  __  ◇◇  __
  ( Mc1|| M2 || T || T  || T || M1 ||Mc2 ) 7連×2本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   6000 − 6100 − 6600 − 6500 + 6750 − 6150 − 6050   VVVF7連×1本

 在来車の昇圧工事をコツコツと進めていく中で、その最後を飾って昭和58年に登場
したモデルチェンジ車です。77両が大挙して新造され、その大胆なデザインとすぐれ
た技術が評価されて、鉄道友の会のローレル賞を受賞しました。
 車体はアルミの大型押出型材で構成され、3扉車ながら側窓は大きな1段下降窓とな
り、扉間に2枚ずつ配置され、従来の2段窓の京阪電車のイメージから大きく変化しま
した。前面は半流線型非貫通で、傾斜したガラスが側面まで回り込んだ連続窓風になっ
ていますが、向かって左半分は外開きの非常扉として構成されています。前照灯・行先
幕の部分までもガラスとなり、サッシはブラックアウトに処理されています。
 走り装置は1500V用として京阪で初めて8M1CのいわゆるMM’方式を採用、
複巻電動機を使った界磁位相制御で回生ブレーキという得意業の制御装置です。屋根上
はクーラーを車体中央にまとめて配置し、キセを一体化したのでスッキリとしており、
パンタは制御装置を持つM車に2台搭載されています。
 7連×11本が一気に新造されましたが、中間車が増備されて8連化され、その後も
増備されており、本年度中に全編成が8連になります。14番の編成には京都側3両に
試作的にVVVF制御を搭載しています。

5.2.4 7000系(H1〜:18両:アルミ合金)         …… #27

    <>                      <>
2  _×__■■■■■■■■__×__ _______■■■■■■■■__
枚 「                 ||
窓 |Π□ 両 □□ 両 □□ 両 □□||□□ 両 □□ 両 □□ 両 □□
半 |Ц  開    開    開   ||      開    開    開
流 +―――――――――――――――――==―――――――――――――――――
    ● ●     Mc車     ● ●        ○ ○       T車       ○ ○

制御:200kW×4 4M1C VVVF制御
制動:全電気指令式空気ブレーキ 回生制動併用(回生優先)
台車:軸梁式     KW77・KW77A
   SUミンデン式 FS517C
編成:
   _◇  __  _◇  __  __  _◇  
  ( Mc || T || M || T  || T || Mc ) 6連×3本
    ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄   ̄ ̄ 
   7000 − 7500 − 7150 − 7650 − 7550 − 7050

 6000系をベースとして本格的にVVVFを採用した車両で、6連×2本と4連×
1本が新造され、その後中間車を増備してオール6連に揃えられました。VVVF車と
しては後発組になるため、発生音などに対してかなり改善されたものになっています。
 前面デザインは上半を傾斜させた6000系に対して直立させたものとなり、側面も
窓ガラスの位置を改良して凹凸を減らしています。当初4連編成は支線にも運用されて
いましたが、6連化されて本線運用だけになってしまいました。また本年度中には7連
化されることになっています。

6.  鋼索線・貨車                          …… #28

6.1 鋼索線車両(S30:2両:普通鋼)               …… #29

2          <>              <>
枚      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
窓    / ◇片◇◇片◇◇片◇◇片◇◇片◇ /
半   /  開  開  開  開  開  /
流   ―――――――――――――――――
          ○              ○ 
八幡市                 男山山上

制動装置:テオドルベル  巻上電動機:三相交流誘導電動機 3300V

 男山ケーブル線の車両は京阪線特急色の黄と赤の塗り分けです。定員は174名で、
座席は36名と立ち席が圧倒的に多くなっています。高速12.6Km/hと低速 8Km/hの2段
式運転速度になっており、正月などの繁忙期には高速運転されます。昭和58年に車体
の改修が行われました。

6.2 貨車                              …… #30

6.2.1 101形(S58:1両:普通鋼)               …… #31

内     「  ≦≧ 
開    /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
資   |Π   片  口  両   口  片  口|
材 半 |Ц    開       開     開   |
用 流 +――――――――――――――――――+
扉      ● ●   Mc車    ● ● 
  大阪                  京都

制御:68kW×4 釣掛式 4M1C 抵抗制御
制動:電磁直通空気ブレーキ
台車:鞍形ウイングバネ軸箱守式 枕バネコイル KS5

 廃車となった旧1800系の車体を利用し、台車と主電動機は1700系の廃車発生
品で、制御装置は2000系のものを改造したものです。151と編成されています。

6.2.2 151形(S58:1両:普通鋼)               …… #32

内       ≦≧ 
開    /  ̄ ̄ ̄|
資   |Π日日 |  I I I I I I I
材 半 |Ц   |―――――――――――――+
用 流 +――――――――――――――――――+
       ○ ○     Tc     ○ ○ 
京都                     大阪

制動:電磁直通空気ブレーキ
台車:軸バネ軸箱守式 枕バネコイル FS304

 廃車となった1300系の車体を利用し、台車は1800系の廃車発生品でフラット
構造のため台枠に補強を施すなどの工事をしています。101と編成されています。

       _   _◇
      (Tc || Mc )
    京都  ̄ ̄     ̄ ̄  大阪
        151 − 101

6.2.3 111形(S58:1両:普通鋼)               …… #33

内      「                  3 内
開   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ 枚 開
資   |Π 片  口  両  口  片   Π| 窓 貫
材 半 |Ц 開     開     開   Ц| 半 通
扉 流 +―――――――――――――――――+ 流 扉
       ○ ○  Tc 111形   ○ ○ 
京都                     大阪

制動:電磁直通空気ブレーキ
台車:軸バネ軸箱守式 枕バネコイル FS304

 廃車となった1800系の車体を利用し、台車は1800系の廃車発生品です。Tc
車のため他の電動車に牽引されることになります。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私鉄車両探訪 京阪電鉄簡易編 京阪線 おわり        NBC01632 (ヤマ)

386/386   NBC01632  山内 祐      【京阪】簡易編(大津線)   第2稿280L
(17)   92/09/05 01:02

****** 私鉄車両探訪 京阪電気鉄道 簡易編(大津線) ******

7.  大津線の概要                          …… #34

7.1 大津線の運転概要                        …… #35

 昼間時の列車は下表の2種で、15分ヘッドを組んでいます。編成は全部2両です。

 種別   基本運転区間    車両
 準急   京津三条−浜大津  高床車     東山三条〜日ノ岡間通過
 普通   京津三条−四宮   低床車80形
      石山寺−坂本    高床車

7.2 車両数および形式                        …… #36

 大津線の系列の付け方は高床車3桁、低床車は2桁で、全車Mc形式であり、京都・
坂本側奇数車、浜大津・石山寺側偶数車の連番で2両固定編成を組んでいます。なお、
大津線では△△系とは呼ばずに、△△形と呼ばれています。

  |高床旧性能| 高床高性能  |低床
−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−
特徴| 非冷房 |非冷| 冷房車 |冷房
−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−
形式|260  350 |500 |600  700 | 80
−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−
初年|S32  S41 |S54 |S59   H4  |S36
−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−
Mc|260  350 |500 |600  700 | 80
−−+−−−−−+−−+−−−−−+−−
両数|  8   7 |  6 | 20     4 | 16

7.3 車体の概要                           …… #37

 大津線の車両は全長15m、車体長14.4m、車体幅2.35mが標準で全車ロングシート、
棒連結器による2両固定編成で貫通しています。併用軌道区間の停留所に停車する80
形は低床車でステップ付きの片開き3扉、その他は高床車で両開き、または片開き2扉
です。前面デザインは京阪線車両の変化に応じて影響を受け、最近は大型曲面ガラスの
顔が増えてきました。冷房化率は約66%ですが、昼間の運用には全車冷房車が運用さ
れています。

7.4 走り装置                            …… #38

 大津線は全車電動車であり、旧性能車は金属バネ台車ですが、高性能新型車は空気バ
ネ台車をはいています。併用軌道区間や急勾配のため、高加速高減速、勾配抑速、定速
制御など多彩な制御装置が用いられ、ここでも回生制動が活躍しています。大津線車両
の電気ブレーキは空気ブレーキと連動ではなく、マスコンのノッチ戻しや定速指令など
によって独立して動作します。空気ブレーキは構造簡単な非常直通式のSMEブレーキ
を使っており、電気ブレーキ常用の車両では停止寸前に空気ブレーキを使うだけです。
集電装置は昭和45年までトロリーポールを使っていましたが、現在は普通の菱形のP
T43系パンタを使っています。編成両端には排障器が取り付けられており、80形は
密着自動連結器、その他は柴田式自動連結器になっています。

7.5 系列判別ツリー                         …… #39

大津線__窓と裾が濃緑__冷房車___非貫通3枚窓___片開き3扉___80
  \
   \_上淡緑下濃緑__非冷房___貫通扉付3枚窓__片開き2扉__260
        \      \          \_両開き2扉__350
         \      \__非貫通大型窓___前面直立___500
          \ 
           \_冷房車___非貫通大型窓___前面傾斜___600
                         \__前面直立___700

7.6 京都市交通局地下鉄東西線乗り入れについて            …… #40

 平成6年完成を目標に、京都市交通局地下鉄東西線JR二条駅〜京阪御陵間の工事が
進められており、京津線はこれに乗り入れる形になり京津三条〜御陵間の京阪の地上線
は廃止になります。同時に大津線全線の電車線電圧が1500Vに昇圧され、乗り入れ
用には新型車が製造され、現在の車両のうち600形・700形以外は廃車になる見込
みです。

7.7 各系列の解説図の凡例                      …… #41

 ■:冷房装置  ≦≧:パンタグラフ    =:ベンチレータ
 日:2段窓     □:1枚窓
 ==:棒連結器  ●:主電動機付き  ○:主電動機なし

  車両図は左が京都・坂本側、右が大津・石山寺側で、京都向きMc車を示している。
  編成については代表的なものの例を示している。左が京都側、右が大津側。


8.  京津線低床車                          …… #42

8.1 80形(S36〜45:16両:普通鋼)             …… #43

半   ≦≧ ■■■■■ SIV        SIV  ■■■■■ ≦≧
流  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
非 |片□日日日日片□日日日□片[]||[]片□日日日日片□日日日□片|
貫 |開     開     開 ||  開     開     開|
通 +――――――――――――――==――――――――――――――+
    ● ● Mc車 ● ●          ● ● Mc車 ● ●
        80奇数車            80偶数車   2連×8本

制御:45kW×4 4M1C 抵抗制御
制動:非常直通式空気ブレーキ 抑速回生・停止回生・非常発電制動
台車:ペデスタル式 KD204

 京津線の併用軌道区間の東山三条、蹴上、日ノ岡の3駅は、路面から乗降する安全地
帯形式になっているため低床車が必要ですが、他の駅は低床専用ホームはなく高床車用
のホームを共用しています。この区間の輸送力増強と近代化をはかるため昭和36年か
ら6次にわたって新造されたのが80形です。
 車体は軽量構造で丸みを持ち、前面はポール操作用の下降窓を中央にし、両側に曲面
ガラスを使ったスマートなデザインで、側面は腰部分から裾を絞ってあり、片開き3扉
で戸袋窓間には繊細な3連アルミサッシ窓を配置しています。製造当初は単行運用が主
体のため両運車で登場、路面駅での集札を考慮して前面中央に運転台があり、客室とは
Hポールで仕切っただけの路面電車タイプの室内です。塗装は窓まわりと裾が青緑、他
の部分が緑灰色で、色も塗り分けも80形専用色といえるものです。パンタ化に際して
前面中央窓をHゴム固定化したときに、窓が少し小さくなって軽快感が失われたのが残
念です。最後に増備された車両は片運2連で登場し、他車も片運貫通化工事を受け全車
2連固定編成になりました。
 走り装置は釣掛式駆動ながら大津線初の空気バネ台車をはき、複巻電動機を使って高
加速高減速、抑速回生制動、停止回生制動、非常発電制動などがマスコン指令によって
操作できます。路面駅では扉と連動してステップが出るようになっており、高床ホーム
ではスイッチによって連動を切り放します。平成元年から冷房改造が行われましたが、
屋根が浅いためダクトやラインデリアのスペースがないため屋根の嵩上げが行われ、床
下に冷房電源を配置するスペースがないためSIVを採用してこれも屋根上に搭載され
たので、一転して機器だらけの重々しい電車になってしまいました。
 京都市交との乗り入れに際しては、残念ながら廃車されることが決まっています。


9.  大津線高床車                          …… #44

9.1 非冷房車                            …… #45

9.1.1 260形(S32〜・43:16両:普通鋼)          …… #46

    ≦≧ =  =  =     ≦≧ =  =  =
   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
貫 |П日□片日日日日日片□日П||П日□片日日日日日片□日П|
通 |Ц  開     開  Ц||Ц  開     開  Ц|
  +――――――――――――==―――――――――――――+
    ● ● Mc車 ● ●   ● ● Mc車 ● ●
        260奇数車        260偶数車   2連×4本

制御:45kW×4 4M1C 抵抗制御
制動:非常直通式空気ブレーキ 非常発電制動
台車:釣合梁式 BW(ボールドウィン)

 京津線高床車の近代化を目的として、木造車や半鋼車の機器を流用し、全鋼製の車体
を新造した車両です。京阪線の1800・1900系に通じる車体デザインで登場し、
増備の過程で両開き扉、片運転台、前照灯2灯化などの変化がありましたが、大津線高
床車の標準デザインを確立したといえます。前面は貫通扉の窓がポール操作のため下降
窓になっており、運転士側・車掌側とも一枚窓で京阪線車両の前面とは少し異なる印象
でした。初期は京津線急行色=京阪線特急色=黄と赤に塗り分けされ、三条〜石山寺間
直通急行に活躍しましたが、昭和45年にパンタ化の際に車掌側窓を2段化し、その後
緑の濃淡色に塗り替えられていったので、雰囲気がかなり変わりました。また、両運車
の連結側運転機器撤去、シールドビーム2灯化、運転士側窓Hゴム化などの小改造が順
次おこなわれました。
 走り装置は旧形車のものですから釣掛式駆動ですが、京津線の急行に使用するため非
常発電制動を備えており、制御装置は後年に新製されています。台車もブリルやボール
ドウィンなどですが、廃車が進むにともない交換されて現在残っている車両はBWに統
一されています。
 昭和54年から6両が500形へ改造され、昭和61年からは廃車代替新造処置によ
り、12両が600形へ生まれ変わりました。現在残っているのは、1次車である両運
タイプで片開き扉の261〜267と半端になった両開き片運の280ですが、非冷房
旧性能のため出番は少なく、このまま廃車への運命をたどることと思われます。

9.1.2 350形(S41〜42:7両:普通鋼)            …… #47

    ≦≧   =      =             =   =  ≦≧  
   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
貫 |П日□両□日日日□両□日П||П日□両□日日日□両□日П|
通 |Ц  開     開  Ц||Ц  開     開  Ц|
  +――――――――――――==―――――――――――――+
    ○ ● Mc車 ● ○   ○ ● Mc車 ● ○
        350奇数車        350偶数車  2連×3本
                              単行×1本(351)
制御:82kW×2 2M1C 抵抗制御
制動:非常直通式空気ブレーキ
台車:釣合梁式 MI(ボールドウィンタイプ)

 元琵琶湖鉄道汽船の旧形車の機器を流用し、高床車標準車体をのせて新造された車両
です。2個モーターで発電制動を持たないため、京津線には入線できません。1次車は
両運で5両、2次車は片運で6両作られ、ラストナンバーから2両ずつ編成を組んだの
で、トップの351は半端になってしまい、予備車となり錦織車庫の入換車として使わ
れています。両運車は連結側の運転機器は撤去され、仕切や乗務員扉は残っていますが
実質は片運車になっています。
 今年から片運の4両が廃車代替新造処置により、車体を700形に流用されました。

9.1.3 500形(S54〜56:6両:普通鋼)            …… #48

    ≦≧ =   =   =   =    ≦≧ =  =  =  =
非 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
貫 |П日□両□日日日□両□日日||日日□両□日日日□両□日П|
通 |Ц  開     開   ||   開     開  Ц|
  +―――――――――――――==―――――――――――――+
    ● ● Mc車 ● ●    ● ● Mc車 ● ●
        500奇数車         500偶数車   2連×3本

制御:60kW×4 4M1C 抵抗制御
制動:非常直通式空気ブレーキ 抑速発電・停止発電・非常発電制動
台車:側梁緩衝ゴム式 FS503

 260形や300形の登場によって車体は近代化された高床車ですが、走り装置は依
然として釣掛式の旧性能であったため、これらの高性能化を目的として260形を改造
したのが500形です。車体の新しい最終増備車の6両が選ばれ、前面を非貫通で大型
ガラスの2枚窓にして前方視界を改善し、行先表示器も設置されました。走り装置は高
床車で初めての空気バネ台車をはき、大津線初めてのカルダン駆動になり、マスコンノ
ッチ戻しによる発電ブレーキを常用するようになりました。
 高床車の高性能化に活躍した500形ですが、冷房化されなかったため現在では半端
な存在になり、夏には出番が少ない車両です。京都市交乗入れ時までには、廃車代替新
造処置で車体流用の700形に生まれ変わる予定になっています。

9.2 冷房車                             …… #49

9.2.1 600形(S59〜63:20両:普通鋼)           …… #50

半   ≦≧ ■■  ■■        ■■  ■■ ≦≧
流  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
非  ]П日□両□日日日□両□日日||日日□両□日日日□両□日П[
貫 |Ц  開     開   ||   開     開  Ц|
通  ゚―――――――――――――==―――――――――――――゚
    ● ● Mc車 ● ●    ● ● Mc車 ● ●
        600奇数車         600偶数車   2連×10本

制御:53kW×4 8M1C 界磁位相制御
制動:非常直通式空気ブレーキ 定速制御・停止回生・回生失効時発電・非常発電制動
台車:側梁緩衝ゴム式 FS503A

 車体の比較的新しい旧性能車を廃車代替扱いとし、車体利用の上高性能化と共に冷房
化を一気に行った系列です。1次車が300形の車体を利用して4編成登場し、側面は
従来のまま前面と屋根の構体を作り替えられました。くの字形に傾斜したデザインは、
京阪線6000系と通じるものがあり、大津線の新しい顔として定着しました。続いて
2次車が260形の廃車代替として登場し、前面は側面まで回り込んだ曲面ガラスにな
り、よりスマートなスタイルとなっています。
 走り装置は8M1CのMM’方式が採用され、奇数車に主制御器、偶数車に補機を搭
載し、得意ワザの複巻電動機を使って定速制御、停止回生制動、回生失効時発電制動な
ど界磁位相制御によって自在に制御し、京阪随一の多彩な制御装置を備えています。
 現在は京津線準急主体に運用されていますが、京都市交乗入れ時には、昇圧改造され
て石坂線専用になる見込みです。

9.2.2 700形(H4〜:4両:普通鋼)               …… #51

    ≦≧ ■■■■■            ■■■■■ ≦≧
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
非  ]П日□両□日日日□両□日日||日日□両□日日日□両□日П[
貫 |Ц  開     開   ||   開     開  Ц|
通  ゚―――――――――――――==―――――――――――――゚
    ● ● Mc車 ● ●    ● ● Mc車 ● ●
        700奇数車         700偶数車   2連×2本

制御:53kW×4 8M1C 界磁位相制御
制動:全電気指令式式ブレーキ 定速制御・停止回生・回生失効時発電・非常発電制動
台車:側梁緩衝ゴム式 FS503A

 冷房化、高性能化と共に昇圧対応車として登場しました。車体は350形からの廃車
代替の流用であり、600形同様前面と屋根の構体を作り替えています。前面デザイン
は京阪線の7000系に通じるもので、傾斜はなくなり直立したものとなりました。前
照灯は少し奥に引っ込んだものになり、LEDの標識灯は8000系スタイルです。ク
ーラーは2台を一体化したキセになり、スッキリとしています。走り装置は600形と
同様ですが、1500Vへの昇圧が簡単にできるようになっており、空気ブレーキは大
津線で初めてHRDを採用しています。703+704にはこれも大津線で初めてスカ
ートがとりつけられています。350形からの廃車代替は2本で終り、あとは500形
から車体流用されて3本つくられ、合計5本になる予定です。


10. 貨車                              …… #52

10.1 100形(122号:S9:1両:半鋼)            …… #53

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非   /|―――――――――――|\  非
貫   |Π|  ||    ||  |Π| 貫
通   |Ц|―――――――――――|Ц| 通
    +――――――――――――――+
     ● ●  Mc車  ● ●

制御:45kW×4 4M1C 抵抗制御
制動:非常直通式空気ブレーキ 非常発電制動
台車:軸バネ軸箱守式 枕バネ重ね板バネ ブリル27E1

 営業貨車として守口工場で新製されたもので、昭和30年に貨物営業を廃止後、これ
を改造して社用貨車としたものです。改造は昭和31年12月付けとなっており、番号
は2002から3022となり、京阪線に3000系が登場するとき122号となりま
した。有蓋貨車で屋根は全長にありますが、側面はフルオープンでアオリ戸がついてお
り、電柱などの長尺物を積載できるようになっています。天井にはホイストクレーンが
3基装備されていて、大津線の保線全般に活躍します。

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私鉄車両探訪 京阪電鉄簡易編 大津線 おわり        NBC01632 (ヤマ)

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